海賊道DB 魚人島と運命の少女 ストーリー

魚人島と運命の少女
■ ひっそりとストーリー紹介

・エリア1
“運命”というものがあるのなら、その出会いは正に運命だったのかも知れない。

あなた
「…助かったのか」


航海中、突如起こった大嵐。死をも覚悟したが、俺たち海賊団は何とか生き延びる事ができた。

あなた
「しかし、どこだ?ここは…」

あなた
異様な雰囲気の漂う島…、向こうに街らしきものが見えるが不気味なほど静まり返っている。この島に、人はいないのか…。

あなた
「いや、いたーっ!」


海岸と街を挟間に見える小さな人影。

あなた
「しかも美人だーっ!」


彼女は大男たちにカラまれている。俺はダッシュで駆けつけ、そのまま女を囲む大男の背中にドロップキックをお見舞いした。

あなた
「大丈夫ですか、マドモアゼル?わたくしはキャプテン・あなた 。あなた様を…」

ルリナ
「に、逃げて!」

あなた
「…は?何で?……ん?」


彼女の指さす先を見てみる。

あなた
「…ゲッ!!魚人かよ…」


そこにいたのは、怒り狂った形相の魚人たち。奴らの強さは、人間を遥かに凌ぐ。事を構えるのは利口じゃねぇ。

ルリナ
「私のことは放っておいて、逃げて下さい!」

あなた
「わかった!」


俺は魚人たちに背を向け走り出した…彼女を抱えて。

あなた
「逃げる!でも、放っとかねぇ!」

ルリナ
「…な、なぜ!?」

あなた
「いい女はさらう!海賊の掟だからだ!」

ルリナ
「魚人に逆らったら…死んじゃいますよ!」

あなた
「それが俺の運命なら従うまでよ!」

ルリナ
「“運命”…」


これが、これから始まる魚人たちとの熾烈な戦いの幕開けだった。

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・エリア2
奇妙な光景だった。街の住人にまるで生気が感じられない。まるで、死人の街だ。
「ここは魚人が支配する街…みんな、恐怖に縛られ暮らしている…。元気が無いのも、無理ありません…」

あなた
「あんた…」

ルリナ
「…はい?」

あなた
「近くで見ると、すんげぇ美人だな」


彼女がズッコケた。

ルリナ
「そ、そんなこと言ってる場合ですか!?魚人たちを敵に回しちゃったんですよ!?」

その言葉に、おののく街の人間たち。こちらを窺いながら、何やらヒソヒソと話している。

あなた
「ずっと気になってたんだが…街の奴ら、何であんたを避けてんだ?」

ルリナ
「みんな…申し訳なく思ってるんですよ…」

あなた
「何を?」

ルリナ
「私が…魚人の元に嫁ぐことを…」


魚人に・・・嫁ぐ・・・?

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暗くなった街の中で、ルリナの言葉が頭を反芻していた。

あなた
「な、何だと!?何で、あんたが…!」

ルリナ
「それは私の体に…魚人の血が半分、流れているからです…」

あなた
「!!」

ルリナ
「人間と魚人の間に生まれた私の血は…魚人の体を増強させる力があるらしいんです…」

あなた
「おい、それって…嫁ぐんじゃなく、生贄だろうが!」

ルリナ
「いいんです…この街が救えるなら…」

あなた
「それで街の奴らも見て見ぬふりかよ!」

ルリナ
「仕方ありません…誰も魚人には逆らえないから…。私も…“運命”に従います」


彼女の目から一筋の涙が流れた。


『バゴーンッ!!』

ルリナ
「!」


俺の拳に叩かれた壁が、音を立てて崩れる。

あなた
「ふざけんな!そんなクソ運命、従えるか!俺が変えてやる!」

ルリナ
「まさか魚人のところへ…!?」


制止する街の奴らを振り払い、俺は魚人の棲む砦へと歩き出した。

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・エリア3
屈強な筋肉、体を覆う堅牢な鱗、人間離れした身体能力。魚人との戦いは大苦戦の連続だった。

あなた
「はぁっ…!はぁっ…!」

ルリナ
「もう、やめて下さい…!これ以上は…本当に死んでしまいます!」


涙を流しながら腕を掴み、ルリナが俺を止めようとする。

ルリナ
「私が魚人の元へ行って街が助かるなら、それでいいんです!」

あなた
「何で、そこまで守ろうとする?お前を見殺しにしようとしてた奴らだぞ?」

ルリナ
「違います…!私は…生かされてたんです…」

あなた
「…何?」

ルリナ
「魚人でもない…人間でもない私に…あの人たちは優しくしてくれました…。私はそれだけで嬉しかった…だから…」

あなた
「わかってねぇようだな」

ルリナ
「本当です!あの人たちは本当に…!」

あなた
「あんたは…人間だよ」

ルリナ
「!!」

あなた
「俺なんかのために涙を流してくれた。その優しさ…立派な人間じゃねぇか」


ルリナの顔がクシャクシャに崩れた。

ルリナ
「……ありがとう」


俺たちは先を目指した。その光が…魚人たちの罠とも知らずに…。

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・エリア4
「はぁ…はぁ…」


ここまで来た時には、体は限界を迎えていた。しかし、神様は容赦してくれねぇ。

ルリナ
「そんな…」


魚人の砦の前に、精鋭揃いの幹部たちが待ち構えていたのだ。

あなた
「あいつらを倒したらボスだな。よし、行くぞ」

ルリナ
「もう…これ以上、あなたを傷つけるわけにはいかない…」

あなた
「…おい、どうする気だ?」


幹部たちを睨み、手に剣を取るルリナ。

あなた
「…まさか…」

ルリナ
「…私のために人が血を流すくらいなら…従ったりなんかできない…。変えてみます、私…。自分の手で…!」


彼女が魚人に向かって、駆け出した。

あなた
「やめろぉーーっ!!」


その時だった。

ルリナ
「!!」


振り返ると、大きな地鳴りと共に、大勢の人間がなだれ込んできている。

あなた
「ふっ、謝るよ。奴らの事…どうやら見くびってたみたいだ」

ルリナ
「…み、みんな…」


それは武器を手に取った街の人間たちだった。彼らは恐怖を押し殺し、戦場にやって来たのだ。自分たちを救おうとした、ルリナを救うために。

ルリナ
「ありがとう…、みんな…ありがとう…!」


その後に野蛮な雄叫びを上げながらやってくる、むさ苦しい男ども。

あなた
「遅ぇぞ、おめぇら!それでも俺の部下か!?」


彼女を救うため、多くの人間たちがこの場に集まってきていた。

あなた
「ルリナ…これがお前の“運命”だ」

ルリナ
「…はい!」

あなた
「行くぞぉ!!これが最後の血戦だ!!」

『お~っ!』と地鳴りのような掛け声を背に受け、俺は前に突き進んだ。

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・エリア5
ルリナを苦しめていた元凶…、魚人のボスは俺の前に倒れた。その勝利に、街の人々は歓喜にわいた。

あなた
「じゃあ、そろそろ行くか」

ルリナ
「待って!もう…行ってしまうんですか?」

ルリナ
「私…あなたのおかげで救われました…。あなたに…大事な事を教わりました」

あなた
「大事なこと…?」

ルリナ
「あなたのような、前に進もうとする人には微笑みかけてくれる…。それが“運命”なんですね」

あなた
「だったら、あんたにも微笑んでくれるだろ。武器を持ち、戦ったんだからな」

ルリナ
「ずっと…諦めてたんです…」

ルリナ
「私は人間じゃない…人間と魚人との間に生まれた子だから…決して幸せにはなれない定めなんだと…。そう自分に言い聞かせ、目を閉じて生きてました…」

あなた
「……」

ルリナ
「でも…もう違います!これからは、私も前に向かって突き進んでいきます!この島の人達と一緒に!!」


その目は、新たな希望に満ち溢れていた。

あなた
「これも…“運命”かもな」

ルリナ
「…え?」


俺は彼女の唇を奪った。

ルリナ
「…!」

あなた
「口づけを交わした女の元には必ず戻る。これは俺の掟だ」

ルリナ
「…本当に?」

あなた
「ああ」

ルリナ
「…待ってます。私…その日をずっと待ってます!」


彼女の目に涙が浮かんでいた。

あなた
「きっと、また会えるさ」

ルリナ
「はいっ!だって私たちは…そういう“運命”ですから!」


島の再生を喜び合う人々を背に、俺たち海賊団はまた大海原へと飛び出した。新たな冒険の旅を探して。

fin...

魚人島と運命の少女について

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